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 1911年(明治44年)12月1日、恵美須町~大小路間が開通し以来100年。翌1912年(明治45年)には浜寺駅前まで開通し阪堺線は全通しました。以来100年、明治、大正、昭和、平成と4つの時代を走って来た阪堺線。
 そんな阪堺線の魅力を「昭和」をキーワードに全駅「ぶらり全駅途中下車」してみました。

◆昭和は遠くなりにけり!?
なつかしい風景を求めて…

 恵美須町~浜寺駅前まで、大阪と堺にまたがる阪堺線。大阪の下町から山手の閑静な住宅街、住吉大社の参道や堺の中心部など、その沿線はさまざまな顔を見せてくれます。
 そんな阪堺線の沿線に共通していえるのは「どこかなつかしい香りがする」ことです。
 平成の世も20数年がたち、だんだん昭和の香りが薄れていく中、「どこかなつかしい香りのする」阪堺線に昭和を求めて全駅を旅してみました。

※昭和度は編集者の主観で表したものです。最大は星4つ(★★★★)となります。

恵美須町| 南霞町| 今池| 今船| 松田町| 北天下茶屋| 聖天坂| 天神ノ森|
東玉出| 塚西| 東粉浜| 住吉| 住吉鳥居前| 細井川| 安立町| 我孫子道|
大和川| 高須神社| 綾ノ町| 神明町| 妙国寺前| 花田口| 大小路| 宿院|
寺地町| 御陵前| 東湊| 石津| 船尾| 浜寺駅前

 阪堺線の起点でもある「恵美須町」は昭和な雰囲気の駅舎を構える。駅舎はその起点にふさわしく堂々としており、駅構内の施設などもいい雰囲気を醸し出している。
 隣には新世界が控えており、通天閣へも近い。駅から通天閣への道のりは「通天閣本通り」となる。この「通天閣本通り」は“寅さん”などの映画のロケ地にもなっており、どことなく昭和の香り漂う商店街である。
 新世界の中には、大衆演劇の劇場や昔ながらの映画館も残っており、昭和賑やかかりし頃の歓楽街を楽しむことが出来る。
 この新世界も最近は新しい店やマンションなども建ちはじめており、昭和の香りが薄れつつある。
駅構内の様子 新世界にある劇場1 新世界にある劇場2
   
通天閣本通り    
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 大阪環状線の「新今宮」駅と接続しており、利用者は比較的多い。駅周辺にはコンビニなど新しい店舗が建つが、駅自体は昭和を感じるつくりになっている。
 駅から東へ歩いて数分のところに「ジャンジャン横丁」がある。この「ジャンジャン横丁」は新世界の南の入口で、将棋を指せる店や串カツの老舗などもあり、各店舗は昭和の香りを色濃く残す。ただ、アーケードが比較的新しく、全体の雰囲気は少しモダンに感じるところが残念でならない。
 一方「ジャンジャン横丁」の向かい(国道25号を挟んで)には「飛田本通商店街」があり、こちらは昭和の雰囲気を色濃く残している。
ジャンジャン横丁1 ジャンジャン横丁2 飛田本通り商店街
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 「南霞町」を出ると電車は小高い土手を上がる。その上に「今池」駅がある。駅のすぐ下にはなつかしい感じの商店街(萩ノ茶屋本通商店街)があり、商店街のすぐ上を阪堺電車が通る。また、駅周辺には銭湯などもあり、全体的に昭和の雰囲気を良く残している。
 また、駅から東に「今池通商店街」がありこちらも昔ながらの商店街の雰囲気を残している。土手下に見る町並みもどこかなつかしい。
 かつては、ここから平野方面に平野線が分岐しており、今でも駅南方に平野線の分岐跡が残っており、往事を偲ばせている。
駅から見た街並み 駅前の銭湯 今池通商店街
 
商店街の上を電車が通る 萩ノ茶屋本通商店街  
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 「今船」駅は阪堺線では最も新しく出来た駅。ただし、それ以前は「今池」駅から分岐していた平野線に「飛田」駅というのがあり、平野線の廃線により1980年に阪堺線に新設されたのが「今船」駅である。
 駅前にはかつて「今池ロータリー」とよばれたロータリー形の名物交差点があり、今でも広い交差点は当時を物語っている。
 駅周辺は下町の風情がよく残っており、なつかしい店先の商店も多くある。また、この駅は飛田界隈にも近く、東にしばらく歩くと、大正期に建てられた料亭「鯛よし百番」がある。
駅周辺の様子1 駅周辺の様子2 今船ロータリーのあった交差点
   
鯛よし百番    
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 「今船」の駅からしばらくは下町の沿線風景が続く。ここ「松田町」駅周辺も下町の雰囲気がよく残っており、新旧の建物が入り交じってはいるものの、どこかなつかしい感じのする町並みである。
ただ、ここ最近はマンションなども見受けられ、少しづつではあるが町の雰囲気も変わりつつある。
駅周辺の様子1 駅周辺の様子2 駅周辺の様子3
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 「今船」あたりから続く下町の雰囲気は、ここ「北天下茶屋」駅でピークを迎える。浜寺駅前方のホームには、どちらかが寄り添うように喫茶店がある。
 駅前の左右には昭和の雰囲気が色濃く残る小さな商店街が広がっており、昔なつかしい駄菓子屋や本屋、洋品店などがある。
 小さな商店街を抜けて西側に少し歩くと、通りを挟んでガラリと雰囲気が変わり「天下茶屋駅前商店街」につながる。しばらく歩くと南海「天下茶屋駅」に行き着く。
 南海「天下茶屋」駅から阪堺線「北天下茶屋」駅につながる道のりは、現代から昭和にタイムスリップするかのような風景の変化がある。
駅前の商店街1 駅前の商店街2 駅前の商店街3
 
天下茶屋駅前商店街 南海「天下茶屋駅」  
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 「天下茶屋の聖天さん」で地元の人々親しまれている聖天山の近くにあるのが「聖天坂」駅。駅名の通り駅東側の聖天山に通じる道のりはのぼり坂が続く。
 駅周辺は閑静な住宅街が広がり、比較的新しい住宅が多いが、古き良き大阪の山手の住宅街の雰囲気を良く残している。
 
駅前の風景1 駅前の風景2  
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 駅のすぐそばに「天神ノ森天満宮」のある「天神ノ森」駅は、林芙美子の小説「めし」の舞台になった町で、同小説の映画「めし」(成瀬巳喜男監督)でもロケ地として選ばれ、映画には同駅も登場している。
 駅周辺は非常に静かで、閑静な住宅街が広がるほか、近くには阿倍野神社もあり、喧噪とは無縁の豊かな時間を感じることの出来る町である。
 この「天神ノ森」駅を出ると、南海線の高架とクロスし、その先からは専用軌道と分かれて道路上を走る併用軌道線に入る。
駅周辺の様子1 駅周辺の様子2 天神さんのすぐそばを電車が通る
 
天神ノ森天満宮 南海線とのクロス  
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 「天神ノ森」から電車は道路との併用軌道線に入り、最初に停まる駅が「東玉出」である。道路上にある小さな停留所は大阪唯一の路面電車たる雰囲気を存分に味わえる。
 駅の西側には昔ながらの雰囲気を良く残す「玉出本通商店街」が広がり南海線の「岸里玉出」駅まで通じる。この商店街はアーケードも昔ながらの雰囲気が残っており、商店街盛時を偲ばせるシャンデリア型の照明も残っている。
 駅東側には帝塚山一帯の山手の住宅街が広がり、静かな佇まいを見せる。また、停留所のすぐ近くには小さな教会がある。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 教会の前を走る阪堺線
 
玉出本通商店街 玉出本通商店街2  
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 「東玉出」から併用軌道線をしばらく行くと「塚西」駅に到着する。ここは、大阪でも指折りの交通量を誇る幹線道路「南港通」に面した「塚西交差点」にある。
 駅周辺は交通量も多く、すぐ側にコンビニや飲食チェーン店などがあり、昭和の雰囲気はほとんどないが、唯一、東側の「南港通」沿いにある昭和スタイルのマンションがどこか懐かしい雰囲気を演出してくれている。
   
南港通沿いに立つ古いマンション    
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 「塚西」の喧噪から再び沿線は静かな佇まいに戻り、しばらく行くと「東粉浜」に着く。西にすぐ行くと南海「粉浜」駅があり駅前には比較的大きな商店街「粉浜商店街」が広がる。商店街は新しい店が多くアーケードも奇麗に整備されているが、周辺の路地には昔ながらの雰囲気もよく残っている。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 粉浜商店街
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 「住吉」に到着しすぐに阪堺線は上町線と交差をする。上町線は「天王寺駅前」と「住吉公園」を結んでおり一部は我孫子道方面にも行く。上町線は阪堺線よりも便数が多く、「住吉」では次々と電車が行き交う光景を目にすることが出来る。
 この「住吉」では電車のクロスポイント近くの古い建物に信号施設があり、係員が電車の接近や行き先などをアナウンスしてくれる。鉄道現場の自動化が進む中、貴重な鉄道施設である。
 また、阪堺線の恵美須町方面の停留所には阪堺の歴史を感じさせる、可愛らしい小さな待合所があり利用者の心を和ませてくれる。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 阪堺線を横切る上町線の「住吉公園」行き電車
   
上町線を行く電車    
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 「すみよしさん」として全国的にも知られる住吉大社の門前にあるのが「住吉鳥居前」の駅である。その名の通り電車を降りればすぐに住吉大社の鳥居が控えており、住吉大社側からは鳥居越しに電車が行き交う姿を見ることが出来る。
 また、西側に数十メートル行くと上町線の終点「住吉公園」駅と南海「住吉大社」駅もある。特に南海とはかつて沿線の乗客をはげしく奪い合った時期があり、この「住吉鳥居前」は南海より住吉大社に若干ながら近いことから、このことをアピールし乗客の獲得をはかった時期があった。
 駅周辺は下町の風情が残っている。住吉大社の参道としては少し寂しい感じがあり、普段は静かな佇まいを見せているが正月の初詣では大変な賑わいとなる。
駅周辺の様子 住吉さんの門前を行く電車 住吉大社
 
数十メートル離れた場所にある「住吉公園」駅 専用軌道線に入る電車  
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 「住吉鳥居前」を出ると電車は再び専用軌道線に入る。そして最初に停まる駅が「細井川」である。駅のすぐ側にはその名の通り「細井川」が流れており、南側にある小さな橋には、ここがかつて紀州街道であったことを記している。
 駅の周辺(特に南側)には下町の風情が漂っており静かな時間が流れる。
 
駅周辺の様子 紀州街道の碑  
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 住吉区と住之江区の境界にある「安立(あんりゅう)町」駅は、駅周辺に昭和の時代の雰囲気を良く残した町並みがつづく。
 南側(住之江区側)の紀州街道沿いには、モダンな銭湯や昔ながらの商店などが残っており歩いていて楽しい。
 ちなみにこの「安立」という変わった地名は、徳川将軍家の御典医(今で言う主治医)であった、半井安立軒元成(なからい・あんりゅうけん・もとなり)という名医がこの地に住んでいたことから名付けられたという。
モダンな銭湯 紀州街道沿いの街並み 紀州街道沿いの街並み2
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 阪堺電車の拠点駅でもある「我孫子道」は、駅に隣接して阪堺電車の本社や阪堺電車唯一の電車車庫や整備工場(大和川検車区)が建つ。
 この駅を境に大阪市内区間と堺市内区間とで分かれており、乗り通す際は運賃が変わることとなる。
 駅周辺にはマンションなどが建ち並んでおり、近くにある商店街も比較的新しいつくりで、昭和の雰囲気は薄いが路地裏などに入ると所々になつかしい雰囲気が漂う。
 ちなみに、毎年6月の第2日曜日は電車車庫内において「路面電車まつり」が開催され多くの人で賑わう。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 我孫子道車庫
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 「我孫子道」を出ると電車は大和川を渡る。大和川を渡ると大阪市に別れを告げて堺市に入り最初の駅となるのが「大和川」である。
 駅周辺は大規模な護岸工事中でなにも無いが、少し南に歩くと紀州街道沿いに比較的古い町並みと工場地帯が広がる。中には堺名物の刃物の店もあり、堺に来たことを感じさせてくれる。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 大和川を行く電車
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 「大和川」を出ると電車はゆるやかな下り坂を降り、しばらくすると「高須神社」に到着する。この駅名「たかすじんじゃ」ではなく「たかすじんしゃ」となるが来歴は不明である。駅のすぐ側に高須神社があり、西側には古い町並みが残る。
 西側に数分歩くと「旧鉄砲鍛冶屋敷(非公開)」があり、ここの説明によるとこの周辺は空襲の被害を奇跡的に受けなかったため江戸時代の町並みが所々に残っているという。
 所々に新しい住宅や店舗も散見出来るが、堺の歴史を感じさせてくれる貴重なエリアである。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 旧鉄砲鍛冶屋敷
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 「高須神社」から続く古い町並みは隣駅の「綾ノ町」にも続く。電車は「綾ノ町商店街」という古い商店街を横切る形で走っており、「浜寺駅前」方の停留所は商店街に隣接してある。駅周辺の商店街や町並みは実に良く昭和の雰囲気を残しており、昭和のなつかしさを思う存分体感出来る。ただ残念なのは、商店街のほとんどの商店が閉まっておりシャッター通りになっている点である。
 「綾ノ町」には停留所にもどこか懐かしさを感じるところがあり、周辺の町並みと合わせてよいエッセンスになっている。
 「綾ノ町」を出ると電車はここから再び併用軌道線に入る。
綾ノ町商店街 綾ノ町商店街2 駅周辺の様子
駅周辺の様子2 駅周辺の様子3 駅周辺の様子4
我孫子道方面の停留所 我孫子道方面の停留所2 商店街を横切る電車
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 「綾ノ町」から併用軌道線に入り最初の駅となるのが「神明町」である。この駅は東側と西側で大きく雰囲気が異なる。
 駅東側は寺町となっており、西本願寺堺別院をはじめ数多くの寺院が建つ。また近くには「山口家住宅」という江戸時代の住居が残っており、中には当時の生活を偲ばせる貴重な資料が展示されている。
 一方、駅の西側は所々にマンションなども建っているが、昭和の雰囲気も残っている。また、駅西側すぐに自転車産業が盛んな堺市らしく「堺自転車会館」という施設がありよい昭和の雰囲気を醸し出している。この「堺自転車会館」ではさまざまな自転車やその部品などが展示されており誰でも気軽に見学出来る。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 駅周辺の様子3
駅周辺の様子4 駅周辺の様子5 山口家住宅
   
堺自転車会館    
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 堺でも屈指の名刹である妙國寺の最寄り駅となるのが「妙国寺前」駅である。妙國寺は戦国時代に建てられた寺で、当時は広大な敷地を誇っていたとのことである。
 この妙國寺、江戸時代にフランス水兵と土佐藩士の間に起きた堺事件の舞台となり有名となった他、境内にある大蘇鉄(国指定天然記念物)には信長にちなんだ伝説もありこちらも妙國寺を著名にしている由縁となっている。
 残念ながら駅周辺にはあまり昭和の雰囲気は無く所々に昭和期の建物が残る程度である。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 妙国寺
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 電車は引き続き併用軌道線を走り次に着くのが「花田口」駅である。駅の近くにはザビエル公園やタマノイ酢の本社、NTT堺支店などがあり、静かなオフィス街といった趣だ。駅の東側には小さな教会がある。また、駅西側には「グリル南海」というステーキのお店があり、グリルの響きとその建物が昭和の良い雰囲気を出している。
 
駅周辺の様子 駅周辺の様子2  
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 「大小路」駅は阪堺線の通る大道筋(だいどうすじ)と東西を走る大小路筋の交差点にある。大小路は東は南海高野線「堺東」駅、西は南海本線「堺」駅を結ぶ通りで、南海バスが連絡シャトルバスを運行している。現在は堺のメインストリートは1本南(宿院駅付近)に下ったフェニックス通りに取って代わられており、比較的静かな雰囲気である。ただし毎年10月に行われる堺まつりでは大小路においてパレードが行われ賑わいを見せる。
 駅東側には山之口商店街があり開口神社(あぐちじんじゃ)の参道になっている。また古い建物も少し残っている。
モダンな街灯 駅周辺の様子 山之口商店街
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 「宿院」の名は駅東に少し歩くとある宿院頓宮(しゅくいんとんぐう)に由来する。
宿院頓宮は住吉大社への神輿巡幸の際に神輿の休息所として建てられたとしており、千年以上の歴史を誇る。また駅西側近くには千利休の屋敷跡もあり、その隣にある全国的にも著名な老舗のそば店「ちく満(ちくま)」がある。
 駅東側には大小路から続く山之口商店街があり、その周辺に昭和の香り漂う街並みがよく残っている。また駅東側すぐに堺名物の刃物の老舗がある。
 かつては、ここから大浜方面へ大浜線が分岐していた。大浜線はかつての阪堺が一大リゾートとして開発した大浜公園につながっており、大変な賑わいをみせていたという。今はフェニックス通りと呼ばれる堺市の主要幹線道路が走っており、ひっきりなしに車が行き交う。
フェニックス通り 駅周辺の様子 駅周辺の様子2
山之口商店街 宿院頓宮 老舗のそば店「ちく満(ちくま)」
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 「寺地町」駅周辺には東側に古い街並が残るものの、新しいマンションやビル、住宅などが多い。
 この駅で目を引くのが、駅東側すぐにあるガソリンスタンドの屋根上にある堺市のシンボル「旧堺燈台」レプリカである。堺市にはこの「旧堺燈台」を模したものが数多くあるが、ここのレプリカは大きさやその雰囲気など本物によく似た出来栄えとなっている。
 
ガソリンスタンド上にある
旧堺燈台のレプリカ
駅周辺の様子  
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 駅前は有名な大仙陵古墳(仁徳天皇陵)にちなんだものであるが、駅からは歩いて20分以上あり少し離れている。一方駅から東へ200mほど歩くと、堺でも指折りの名刹として有名な南宗寺(なんしゅうじ)がある。
 南宗寺は戦国武将であった三好氏の菩提寺で、千利休なども修行をしたとされる。境内には国の重要文化財である仏殿や山門などの立派な伽藍が並び、方丈にある古田織部の作といわれる枯山水の庭園(国名勝)も美しい。
 この南宗寺、その趣を一段と増してくれるものに瓦の入った土壁がある。この土壁は大阪夏の陣の際に戦火にあった堺の街の焼けた瓦を埋めて作られたものであると伝えられている。
 南宗寺界隈には静かな門前町の佇まいを見せるが、残念ながら昭和の雰囲気は少ない。なお、南宗寺に通じる道に「南曜堂」というお菓子の店があり、ここで作られる阪堺電車をイメージした“ちんちん電車もなか”は人気の一品となっている。
ちんちん電車もなかで人気の
南曜堂とその周辺
南宗寺の土壁と境内1 南宗寺の土壁と境内2
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 「御陵前」を出ると電車は再び専用軌道線に入り最初の停車するのが「東湊」駅である。この「東湊」は自転車の世界ブランドである「シマノ」が近くにあり、駅前の商店街の街灯にも「シマノ」のロゴが見られる。
 比較的町並みは古いものの、閑静な住宅街といった趣で、割り方新しめの建物が多い。
   
駅周辺の様子    
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 「東湊」から専用軌道線に沿って沿線は閑静な住宅街が続く。ここ「石津」もその趣が強い。駅の西側には石津太神社が建つ。石津太神社の歴史は大変古く、日本最古の戎社を称している。毎年12月14日に開催される泉州の奇祭「ヤッサイホッサイ祭り」と呼ばれる火祭りは有名である。
 駅周辺は、閑静な住宅街と門前町の趣が交錯し良い雰囲気を保っている。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 駅周辺の様子3
   
石津太神社    
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 「船尾」駅を降りると、駅前から西側に向かって諏訪森本通商店街がのびる。商店街は南海「諏訪ノ森」まで通じており、周辺を含めて昔懐かしい昭和の雰囲気をよく残している。
 また、南海「諏訪ノ森」は大正8年の建築で、駅舎上部にあるステンドグラスは淡路島を望む海岸の美しい風景が描かれており国の登録文化財にもなっている。この諏訪森では他にも美しいステンドグラスを取り入れた建物も多く“ステンドグラスのまち”として、まちおこしに取り組んでいる。昭和の香りと美しいステンドグラスを愛でることのできるまちである。
ステンドグラスのまちを
PRするポスター
駅周辺の様子 駅周辺の様子2
駅周辺の様子3 南海「諏訪ノ森」駅 南海「諏訪ノ森」駅2
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 「船尾」を出ると、電車は南海線の上を越えて、終点の「浜寺駅前」に到着する。駅のすぐ西側には浜寺公園がひろがり休日は多くの人で賑わう。
 駅舎は昭和の雰囲気をよく残しており、どこかなつかしい香りが漂う。駅東側には南海「浜寺公園」に通じる道があり古い商店もわずかに残っているが、マンションや空き地なども多く寂しさが漂う。
 南海「浜寺公園」駅は中之島の中央公会堂の設計などでも知られる辰野金吾によるもので、1907年に建てられた洋風の駅舎は私鉄最古のものとされる。
 「浜寺公園」駅は近い将来高架化か決定しており、この駅舎も移築保存されることが決まっている。駅前の風景は大きく変わりそうで、またひとつ昭和のにおいが消えることになる。
駅周辺の様子 駅周辺の様子2 南海「浜寺公園」駅
 今回「恵美須町」を起点に昭和を求めて14.1kmの小さな旅であったが、駅(停留所)毎に様々な風景を見せてくれて、昭和のなつかしさに思う存分ふれることができた。
 沿線にはなつかしい下町のグルメや、立飲屋、伝統ある和菓子のお店も数多くあり、これらと合わせてゆっくりと旅を楽しむのも一興かと思う。
 著名な観光地もめぐるのも良いが、何気ない下町の風情や路地裏のなつかしい風景、趣のある商店街など、自分なりに感じるままに阪堺線を楽しんでいただきたい。阪堺線はそんな魅力のあふれる路線である。
いつまでもこの風景を残してもらいたいものである。
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